2020.3.13 更新

 

Ⅱ 経済(お金)

 自分らしいセカンドライフを楽しく快適かつ安心な生活を過ごすためには、

経済的な見通しがついていないといけません。これまでの貯蓄とこれからの

収入、そしてこれからの支出について考えてみましょう。

 

 1.マネープラン(自分らしいお金の使い方)

(1)なぜ今、改めてお金について考えるのでしょうか?

    今と昔ではお金の貯まりやすさが違います。身近なところで言うと、まずは支出面。今(2020年●月現在)の消費税率は10%ですが、消費税率が3%の時代や、もちろん消費税がなかった時代があります。単純に、買い物をする際の支払い額が今の方が多くなってしまっています。

    貯金(金利)の面ではどうでしょうか?1990年頃は10年国債利回りが6%7%でしたが、今の利回りは残念ながら0.004%です。

    収入面では、サラリーマンの平均年収が右肩下がりなのはご存知でしょうか?ピーク時は470万ほどの平均年収が、近年では420万ほどまでになってしまっています。

    以上のように、近年では手元にはお金が貯まりにくく、一方で、出ていくお金は増えていきやすいという傾向になってしまっているのです。

 

(2)そもそも老後に必要なお金はいくらなのでしょうか?

    世間的には2,0003,000万円必要だという報道も出ていますが、これを聞かれてどう感じられるでしょうか?

 

この質問に対する端的な答えは「わかりません。」です。

 

一人一人のライフスタイルも違えば、もらえる年金額、毎日使う生活費なども一人一人全く違います。その方の寿命もわかりません。

大切なのは「自分には今、毎月どのくらいの生活費が必要で、これからどのような生活を望んでいて、今の貯蓄額はいくらで、毎月の年金などの収入額はいくらなのか?」

これらがすべてクリアになって、初めて今後の収支のシミュレーションが出せます。ここから一緒に考えていきましょう。

 

(3)どうすれば、お金が賢く貯まるのでしょうか?

 

     お金が貯まりやすい仕組みとそうでない仕組みは以下の通りです。

 

     ●貯まりやすい仕組み

      収入 ― 貯蓄 = 支出

 

     ●貯まりにくい習慣

      収入 - 支出 = 貯蓄

   

     つまり、毎月余った分を貯蓄するのではなく、「先取貯蓄」をしてから

余った分で生活費などの支出に使っていく、という仕組みです。そのためには毎月生活費などにいくら必要なのかを把握することが大切になります。

 

2.更に考えておくべき事は何があるでしょうか?

(1)年金

  国民年金

日本の国民年金法等によって規定されている、日本の公的年金です。現行制度は国民皆年金制度の基礎年金部分(1階部分)に相当します。

「国民年金」と呼ばれていますが、実際に年金を受給する場合は給付の要因によって、老齢基礎年金、障害基礎年金、遺族基礎年金、寡婦年金、死亡一時金などと呼ばれています(受給・給付に関しては「国民」の文字は付かなくなります)。

 

  厚生年金

主に日本の被用者が加入する所得比例型の公的年金で、厚生年金保険法等に基づいて日本政府が運営している年金です。

現行制度の厚生年金は、基礎年金である国民年金(1階部分)にさ

     らに上乗せして支給される(2階部分)年金になっていて、所定の要件を満たす限り、厚生年金加入者は、国民年金にも同時に加入することになっています。(国民年金第2号被保険者となります。)

 

(2)生命保険

  医療保険

医療機関の受診により発生した入院費や手術費といった医療費 について、その一部又は全部を保険者が給付する仕組みの保険です。

高額の医療費による貧困の予防や生活の安定などを目的としていて、長期の入院や先進医療による治療などに伴う高額の医療費が、被保険者の直接負担となることを避けるために、被保険者の負担額の上限が定められたり、逆に保険金の支給額が膨らむことで保険者の財源が圧迫されることを防ぐため、被保険者の自己負担割合や自己負担金が定められていたり、予め保障範囲が制限されていたりすることが多くなっています。入院時、通院時、退院時、手術時、癌診断時などに保険金が支払われることが多いです。

 

  死亡保険

 死亡保険とは、被保険者が亡くなられたときに保険金が支払われる保険のことをいいます。「万一」の場合に残されたご家族が安心して暮らしていけるよう、まとまった資金を確保するために死亡保険は活用されています。

 

「万一」に備える方法には、死亡保険以外にも預貯金などがあります。預貯金は、お金の出し入れがしやすい反面、まとまった金額が貯まるまで時間がかかるため、万一のときに十分な金額が準備できない可能性があります。一方、死亡保険は、あらかじめ受け取れる金額が決まっているため、契約期間内であれば必要なお金を受け取ることができます。

万一のときはいつ訪れるかわかりません。商品の特長を比較し、自分にあった方法で備えることが大切です。商品には定期保険、養老保険、終身保険、収入保険などがあります。

 

  特定疾病保険

   日本人の三大死因である癌・急性心筋梗塞・脳卒中(2011年に脳卒中とこれまで4位だった肺炎が逆転しています)に対して一時金を支払う保険です。主に癌(悪性新生物)や、それに急性心筋梗塞、脳卒中を加えた三大疾病に限定(特定)して支払い要件としています。

支払い要件に死亡・高度障害などの従来の生命保険の仕組みを組み合わせた商品や、上記疾病だけを給付要件としている商品などがあり、保険会社によっては五大疾病(上記に加えて肝硬変・慢性腎不全)、七大生活習慣病(がん、糖尿病、心疾患、高血圧症疾患、脳血管疾患、肝硬変、慢性腎不全)などと支払い範囲を拡大したものもあります。

 

  個人年金保険

個人年金保険とは、国民年金や厚生年金などの公的年金を補てん する目的で加入する私的年金の1つです。個人年金保険は、契約時に定めた年齢(60歳、65歳など)から、一定期間(5年、 10年など)もしくは一生涯にわたって毎年、一定額の年金が受け取れる貯蓄型の保険です。公的年金では生活費が足りなくなる恐れがある自営業者の方、退職から年金が支給開始されるまで期間の生活費を準備したい方向けの保険といえます。個人年金保険には、年金の受取期間によって、終身年金、有期年金、確定年金の大きく3種類に分けられます。

 

  外貨建保険

   米ドルや豪ドルといった外国通貨ベースで保険料を支払い、その通貨で運用される保険のことを指します。一般的な円建ての保険の場合、保険料(払う金額)も保険金・給付金(もらう金額)も円で決まりますが、外貨建ての保険の場合は保険金・給付金が外貨で決まります。ただし、保険料については外貨で決まるものと円で決まるものがあります。

たとえば円建て保険だと、「500万円の保険金がおりる死亡保障」という設計になるところ、外貨建ての保険だと「5万ドルの保険金がおりる死亡保障」というような商品になります。

   円建て保険との違いで大きいのは「積立利率」です。利率は発行通貨の国債が基準になりますが、日本の国債にはマイナス金利が適用されており、10年国債の利回りは20197月時点で-0.12~-0.17%程度です。一方、米国の10年国債利回りは1.952.14%程度となっています。

 

(3)税金

  所得税

一般的に税金はどこ(国、地方)に納めるのか、誰が納めるのか、で分類されます。所得税も同様に分類すると、国税かつ直接税に分類されます。所得税は税制上、11日から1231日までを1年間としてその間に得た課税所得金額に対して課税される税のことを言います。

通常、会社員であれば給料から自動的に所得税が引かれたりする のが一般的です(源泉徴収)。しかし、個人経営のお店や農家などの個人事業者は税額を計算して役所に申告し、納付するという手続きを自分で行わなければなりません(確定申告)。このような納税方法を申告納税と言い、所得税を特徴するものと言えます。

 

  住民税

住民税とは、住んでいる町に納める税金のことで、町の公共サービス(ごみ処理など)に使われている地方税のひとつです。     

住民税は2つの税金で構成されており、自分の住む都道府県と市区町村に納めるしくみになっています。住民税はお金を稼ぐとかかることになり、前年の課税所得にかけられることになるのですが、前年の1月~12月にお金を稼いでいなければ住民税はかけられません。

 

(4)生前贈与

  生前贈与とは?

生前贈与とは、生存している個人から別の個人へ財産を無償で渡すことです。主に相続税の節税対策を目的としておこなわれます。生前贈与をおこなうと、相続税の課税対象となる財産を減らすことができますが生前贈与の際に贈与税が課税されます。生前贈与をおこなう際は相続税と贈与税を試算し、どうしたら税金が安くなるのか確認する必要があります。生前贈与をおこなう人を「贈与者」、受け取る人を「受贈者」と呼びます。受贈者は生前贈与を受ける際に「暦年課税」か「相続時精算課税」のどちらかを選択することができます。

 

  生前贈与の活用方法は?

「暦年課税」

   受贈者が11日~1231日までの1年間に受け取った 財産の合計額が110万円を超えた場合、110万円を超えた分に対して贈与税が課税される制度です。逆に言えば、1年間に110万円を超えなければ贈与税が課税されません。(受贈者が相続時精算課税の申請をしなければ暦年課税を選択したことになります。)

   たくさんある資金を少しずつ贈与していく方法には適している方法になります。

 

●「相続時精算課税」

        60歳以上の親や祖父母から20歳以上の子供や孫へ贈与する

場合に選択することが可能です。相続時精算課税を選択すると受け取った額の合計が2,500万円を超えるまで贈与税が無税となります。ただし、相続時に受け取った分に対して相続税が課税されます。相続時精算課税の仕組みやデメリットについて詳しく知りたい方は税理士の方までお問い合わせください。

 

(5)相続

  相続とは?

相続とは、ある人が死亡したときに、死亡された人の財産を配偶者や子などの親族が財産を引き継ぐことを言います。

 

  相続って対策が必要なの?

 相続とは人が亡くなられてから開始します。突然始まる事もあれば、そろそろかなと言う場合もあるでしょう。しかし、もし突然相続が発生した場合、残された方々は金銭的な苦労を負う事があります。また、ご自身の財産についても思うように管理されない事もあると思います。そのような心配のある方は、生前に相続の対策を行ってく必要があります。

 

<このような方は相続対策が必要です。>

    ◆自分の死後も財産を有効に活用して欲しいと思っている。

    ◆家族の間で相続に関するトラブルを起こして欲しくない。

    ◆相続の事は興味が無く、また、相続の事は詳しく知らない。

    ◆相続税がどのようなものかわからない。

    ◆相続税の存在は知っているが、自分の財産に相続税がかかるのかわからない。

    ◆なるべく相続税は払いたくない。

    ◆自分の財産がどの位の価値があるのか把握していない。